刺青とタトゥーは基本的に同じ意味ですが、何となくタトゥーというとワンポイント的なもので、刺青というと背中一面もしくは全身に及ぶような図柄を想像してしまいます。また刺青というと和彫りの柄を想像しがちですが、刺青もタトゥーも基本的に仕組みは同じです。 そんな刺青の中でも、先ほども述べたような全身の広範囲に入っているものを「倶利伽羅紋々(くりからもんもん)」とも呼びます。ここまで全身に及ぶような刺青を入れる人というのは生きていく上での覚悟も感じるので、後になって消したいと思うことはあまりなさそうな気もします。 しかし、刺青除去で多くの患者さんと向き合っていると、そうとも言い切れません。広範囲に入っている倶利伽羅紋々であっても、後からやっぱり消したいということは実際にあります。そんな時はどうやって刺青を除去するのか?今回はそこにスポットを当ててお話をします。
刺青の除去手術には、「切除法」と呼ばれる方法があります。刺青が入っている部分の皮膚を切除するという最も分かりやすい方法です。刺青ごと除去してしまうので確実に消えるのですが、この場合は刺青が入っている部分の皮膚を取り除いた上で、その周辺の皮膚を引っ張って来て縫合するという手術になります。 何となく想像がつくと思いますが、この方法で広範囲に及ぶ刺青を切除するというのは現実味が乏しいようにお感じではないでしょうか。そんなに皮膚が伸びせんし、そんなに広い範囲の皮膚を切り取ってしまうと他の問題を想像されると思います。
もちろん、ある程度までの大きさであれば一度に全部ではなく複数回に分けて可能な範囲の切除をしていくことで取り除くことは可能です。実際に、そのような症例あります。 しかし、背中全体や全身に及ぶ刺青となると、さすがにそうはいきません。
そこで提案するのが、「目立つ部分、露出する部分だけをまず切除する」という方法です。服では隠し切れない部分、どうしても目立ってしまう部分だけをまずは切除して、後はレーザー治療で少しずつ目立たなくしていくということであれば、現実味が出てきます。 この順序だと早急に見える部分だけでも何とかしたいという要望も叶えることができるので、患者さんの満足度も高くなります。 しかし、残る部分をレーザー治療で消していくとはいえ、いきなり全身にレーザーを照射して火傷状態にしてしまうわけにはいきません。優先順位をしっかりとお聞きした上で、時間をかけて少しずつ治療をしていくというのがセオリーです。 広範囲に刺青を入れるというのは相当な覚悟があったことと思いますが、それを消すとなるとそれ以上の覚悟が必要になるということですね。
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