自分で入れたタトゥー(自彫り)が気になる方、消したいとお考えの方へ
刺青(タトゥー)を自分で入れる人が、少なからずいます。「自彫り」や「イタズラ彫り」と呼ばれ、よくあるのが墨汁を針の先につけて、それを皮膚に刺し込むことで柄を入れていく方法で、10代など若い人によく見られます。 専門の彫師に依頼するよりもはるかに手軽でお金もかからないので若気の至りで自彫りをする人は依然として多いのですが、この行為についての危険性や自彫りした刺青を消すことについての見解を述べてみたいと思います。
すでに自彫りをして、その上で「消したい」と思っている方にとっては今さらの話になりますが、自彫り行為はとても危険です。衛生管理が徹底されていない環境で針を皮膚に刺して墨を入れていく作業は、「何を刺したのか分からない注射針で注射される」のと同じだと表現すれば分かりやすいと思います。 思わぬ感染症を引き起こして、皮膚だけでなく内臓にも深刻なダメージを与える可能性があります。 また、専門の彫師と違って墨を入れていく作業にも精通しておらず、墨を入れる深さが不安定であったり、絵柄そのものが素人レベルの出来栄えになってしまうため、衛生面だけでなく刺青の品質という意味でもメリットは何もありません。 これから自彫りを考えている方は、ぜひとも思いとどまってほしいと思います。
自分で入れた刺青には、特徴があります。それは墨が入っている深さです。自彫りは自分で用意した針の先に墨汁をつけて、それを皮膚に刺し込むことで色を付けていきます。自分でやっているため、当然上手ではありません。そのため墨が入っている深さが一定とはなりにくく、刺青を消す際にはばらつきのある深さにある墨と向き合わなければなりません。 墨を入れる時の痛みもあって、自彫りの刺青は全体的に浅いと言われています。これが一定していて全体的に浅いところに墨が入っているのであれば比較的消しやすく、この場合は素人作業ゆえの特徴と言えます。
刺青の除去は刺青の場所や大きさなどによってケースバイケースなのですが、自彫りの除去は全体的な傾向としてレーザー治療が適しているとされています。 自彫りの場合は利き手でもう片方の手に入れたという場合など小さなものが多く、また墨汁を使うことが多いので黒い色素にレーザーが反応しやすいというのが、その根拠です。ただし、先述したように自彫りは墨の深さや品質が安定していないので、その不安定さが治療を難しくすることもあります。 自彫り行為は刺青を消す時の難しさにつながるだけでなく、不衛生な環境で皮膚に針を刺すこと自体がとても危険なので、絶対にやめましょう。