刺青を消したいという人の目的と本音とは?

刺青を入れた人のうち3人に1人は「刺青を消したい」と思っているというデータがあるように、刺青を消したいと思っている人は想像以上に多いのが実情です。 ここで生まれるのが、素朴な疑問です。「自分の意思で入れた刺青なのに、なぜそんなに消したいと思う人が多いのか?」というのは、3人に1人もの人が刺青を消したいと思っているというデータに接すると余計に大きくなる疑問です。 こんなに多くの人が刺青を消したいと思う理由とは、どんなものでしょうか。多くの患者さんと向き合ってきた経験で思うことを、述べてみたいと思います。
刺青を「タトゥー」と呼ぶことも多くなった昨今、ファッション感覚で刺青を入れる人はとても多くなりました。刺青を入れる時に周りの人から反対されたのに、「個人の自由だから」「自分の生き方だから」と耳を貸さなかったことを後悔する人も多くいます。 そんな若気の至りで入れた刺青ですが、それを最も邪魔に感じるのは就職や結婚といった人生のイベントを控えている時です。刺青があることで就職に不利になるというのは現実に起きていることで、それは結婚についても同様です。結婚を前提に交際をしていた相手に、刺青を理由に振られてしまったという事例も意外に多くあります。 刺青に対する社会の目が思ったより厳しいことに気づいた時には、すでに自分の身体には刺青が入ってしまっている…というのは、刺青除去治療を受ける方々の「あるある」かも知れません。
結婚をして子供を持つと、それまでの人生と色々なことが変わります。それまでは刺青に対してポジティブに考えていた人であっても、子供を持つことによって価値感が変わり、刺青が邪魔に感じるというケースは多くあります。 また、プールや温泉などへ入ることについても制約が多いため、遊び盛りの子供をプールに連れて行ってあげることができないというのも、刺青のある女性によくある本音です。 価値観や生活が変わったらいつでも消せるというものであれば良いのですが、おそらくそれでは刺青が持つ意味が薄れてしまうでしょう。消すことができない、一生持ち続けるものだからこそ刺青に価値を見出す人も多いので、刺青を入れる時には未来のこと、将来のことを考えて納得した上で行動に移すことがいかに重要であるかが分かります。
レアケースではありますが、過去に交際していた相手の名前を刺青で彫っている人もいます。浮気防止や相手と生涯添い遂げる覚悟を示すためのものだと言われていますが、そんなカップルに限って早晩破局してしまうことがとても多いという話も耳にします。実際にそんな経緯で刺青を消したいという方が来られたこともありますので、どうしても刺青を入れたいという場合は、一度じっくりと考えてからにすることを強くおすすめします。