成分によっては逆効果も!危ない刺青除去クリームにご用心

刺青を消したいとお考えの方の多くが一度は検討したことがある、「刺青除去クリーム」をご存じでしょうか。刺青が彫られている部分にクリームを塗ると刺青を除去できるという触れ込みなのですが、果たしてこれは本当なのでしょうか。ネット通販を利用すると海外の刺青除去クリームが多数売られていて、値段的にも数千円なので、もしこれで刺青を消すことができるのであれば安くて手軽な買い物です。 そういう考えから刺青除去クリームを買ったことがある、試したことがあるという方は実は多いのですが、こうしたクリーム類について医師など専門家からは注意が喚起されています。その注意点について、この場で述べたいと思います。

基本的に「刺青を除去できる」と謳っているクリーム類には、何らかの美白成分が入っています。美白成分は皮膚のシミやそばかすなどを薄くしたり消すという効果を狙うために配合されているわけですが、それは刺青の色素に有効であるというわけです。 その中でも配合されていることの多いのが、ハイドロキノン。すでに50年ほど前から美白成分として使用されてきたもので、特徴は強い美白作用です。この「強い」というのが気になるところで、その作用の強さゆえに安全性についての疑問点が解決されていない成分でもあります。

次によく使用されているのが、クロマブライトという成分です。脱色効果を持つ成分として知られ、皮膚に使うことで刺青の色素を含むさまざまな色素を脱色するというわけです。 このクロマブライトはアレルギー反応を起こす人にとっては特に注意が必要ですが、ネット通販などで購入した人がそのまま使うとアレルギー検査をすることなく使用することになるので、リスクが付きまといます。

最後にもう1つ、TCAと呼ばれることの多いトリクロロ酢酸についても注意が必要です。この物質は皮膚を腐食させる(溶かす)成分で、刺青のある部分の皮膚に塗ると腐食した皮膚が水ぶくれのようになるので、そうなった状態で皮膚を取り除くことで刺青を除去できると謳われています。 このTCA(トリクロロ酢酸)は劇物に指定されていることからもお分かりのように、取り扱いを間違えると危険な物質です。ご自身の肌の状態を診察せずに使うことの危険性は想像していただけると思います。

手軽さや安さに魅力を感じて刺青除去クリームに手を伸ばしたくなる気持ちは、十分理解できます。他人に見せることなく自分だけ取り組めるのも魅力ですが、これらの物質は危険性も隣り合わせなので、使い方によっては逆効果になってしまうこともあります。 医療機関による診察と、その上で行う最適な治療が、結局のところは一番の近道なのです。

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