こんなにある、刺青があることで受ける社会的な不利益
軽い気持ちで入れたものの、何かと不利益が多いので刺青を消したいと考える人はとても多くいます。一説によると刺青を入れた人のうち3人に1人は消したいと考えているそうで、その背景には日本社会における刺青に対する視線と扱いがあるのは間違いないでしょう。 刺青があると、実際にどんな不利益があるのでしょうか。良く知られているもの、あまり知られていないものも含めて考えてみたいと思います。
最も有名で誰もが思い浮かぶのが、温泉、銭湯、プールなど肌を露出する場所に入れないという不利益です。多くの施設には「刺青のある方は入場お断り」という注意書きがあって、実際に中に入ると刺青の人がいないので施設によってはかなり厳格に制限をしているようです。 以前であれば比較的寛容だった銭湯でも最近ではコンプライアンス強化の流れで刺青のある人を締め出す傾向が強く、刺青が入っている人はますます肩身が狭くなってきています。
肌の露出という意味で、フィットネスジムへの入会が刺青を理由に断られるというケースが相次いでいます。上記のように肌を露出する機会が多い場所だけに、最初から入会を断ってシャットアウトするという考え方が広がっています。 入会時に見えていないことでそのまま入会をしても、入会後に施設内で刺青があることを係員に見られてしまい、退会させられたという話もあります。
外国であればそこまで言われないかも知れませんが、日本のサラリーマン社会で刺青はご法度です。刺青があることを理由に就職試験に落ちたケースや、入社をしても偏見を持って見られてしまうなどの不利益は十分考えられます。
社会的な偏見や不利益については意識の問題ですが、医学的な見地から刺青がNGということがあります。その代表格が、MRI検査です。MRIは強い磁力によって体内の撮影をする検査なので、磁力に反応するものは一切持ち込めません。 あまり知らないという方も多いのですが、刺青の顔料には磁力に反応するものがあるため、刺青があるとその部分がMRI検査機器に引っ張られるという恐ろしい事態が起きます。医療機関によっては事故のリスクを考慮して刺青がある人の検査を断っているところもあります。
刺青があると生命保険の加入を断られる可能性があります。「刺青=反社会的勢力」ということもあるそうですが、それよりも大きな理由は感染症リスクという医学的なものです。 刺青を彫る時に使用する針が不衛生であったばかりにC型肝炎などに感染するケースが多く、刺青があることでその病歴が疑われるというわけです。
これだけ多くの不利益があると、やはり刺青は最初から入れない方が賢明だと思います。すでに入れている人は諦めなければならないのかというと、そんなことはありません。今では刺青除去治療が技術的にも進歩しているので、まずは医療機関に相談をして刺青を消せる可能性を模索してみてください。