頻発するレーザー治療への苦情について
刺青を消すための治療法としてレーザー治療の知名度が高くなるにつれて、業界全体でレーザー治療に対する苦情の数も多くなっています。何事も有名になるとその分だけ苦情も多くなるものですが、ことが刺青の除去治療なので苦情の中身が失敗や行き違いなどの場合影響がとても大きくなります。 実際のところ、刺青除去治療の現場ではどんな苦情が発生しているのでしょうか。その主な原因は背景について述べてみたいと思います。
レーザー治療に対する苦情の大半は施術をしたことでできる施術痕の問題と、あとはお金の問題です。それではひとつずつ解説していきましょう。 まず言えることは、ほとんどが説明不足によるものだということです。レーザー治療を始める前に十分な説明をしていなかったことが苦情の原因になっています。実際、他の医療機関で説明不足によるトラブルが起きてしまい、その経験を持った患者さんが当院へ受診に来られるということもあります。 レーザー治療をするとその痕が残りますが、これについて十分な説明を受けていなかったことによって「こんなはずではなかった」となるわけです。この問題は当院でも強く認識していることで、治療前の説明には十分な時間をかけるようにしています。その甲斐あって、当院で同様の苦情が発生することはありません。 「簡単な治療できれいに消える」という宣伝文句を見た人がレーザー治療を受けたら、現実はそうではないので「話が違う」となるのは当然ですね。
レーザー治療によって刺青を除去するには、複数回に分けた施術が必要です。一度にレーザーを当てて手品のように消えるのであれば最高なのですが、現実はそうではありません。この部分についても十分な説明がなされていなかったために、ここでも「話が違う」となることが多いようです。 刺青の大きさや色にもよりますが、レーザー治療で刺青を除去するには3回から10回程度の治療が必要です。少しずつ時間をかけてやらないと皮膚へのダメージも大きくなりますし、治療効果も得られません。そのことをしっかりと説明せず、まるでレーザー治療器が魔法の道具であるかのような宣伝文句があるのを見ると、「あれはトラブルになるだろうな」と私も思います。 レーザー治療の回数が増えると、当然ながら治療費も大きくなります。当初の予定よりも多くの治療回数が必要になって追加費用が発生すると、それも苦情の原因になりがちです。 最初の治療計画に対する説明に加えて、治療回数がどれほどになるのか、それによる治療費がどれくらいになるのかという見積もりを最初にしっかりとしておくことも、トラブル防止には必要だと言えそうです。 後になってから「聞いていない」となるほど残念なことはありません。事前にすべての情報を伝えることはとても大切だと思います。