眼瞼下垂は目の手術なのに形成外科?とお感じの方に知っていただきたいこと
眼瞼下垂の治療では、簡単な手術を伴います。下垂というだけあって瞼が下に垂れ下がってしまっている症状なので、それを何らかの方法に上に戻して下がってこないようにするのが治療の基本的な考え方です。眼瞼という名前には「眼」という文字が入っているので、眼瞼下垂の相談や治療のために眼科で受診される方も多くおられます。実際、多くの眼科クリニックで眼瞼下垂が診療メニューに含まれています。しかし、ここでひとつ注意していただきたいことがあります。冒頭で申し上げたように、眼瞼下垂の治療では簡単な手術を行います。手術をするということはメスを入れるわけで、そこには外科的な要素が多く含まれてきます。眼科医は「眼医者さん」とも呼ばれるように、どちらかというと瞼よりもその中にある眼の医療を専門している医療機関といったほうが良いでしょう。眼の外側にある瞼は皮膚と筋肉でできているので、眼の医療とは根本的な部分で異なります。日本の医師免許制度では、医師免許を持っていれば眼科であっても眼瞼下垂の手術をしても法的に問題はありません。しかし、実際にやっている治療内容が大きく異なるということは、それぞれの得意分野が違ってくるのは当然です。クルマの修理を想像してみてください。事故によってボディに傷やヘコミができてしまった場合は板金工といって外側の修理をする専門家に修理を依頼します。その一方でエンジントラブルの修理を頼みたいのであれば、機関系の専門家である整備士に依頼することでしょう。これはまさに、眼の医療と瞼の医療の違いです。当院で受診をされた患者さんの中には、他の医療機関で眼瞼下垂の治療を受けたものの、うまくいかなかったという方がおられます。美容整形をしたのと間違われてしまったという話をよく耳にしますが、これは手術の結果によって目の形が変わってしまい、それが顔全体の印象を変えてしまったものと思われます。「目は口程に物を言う」という言葉があるように、目の印象が変わると顔の印象も大きく変わります。瞼に対する外科的な治療を行うということは、それだけ顔の印象に関わる治療をするということなのです。当院は形成美容クリニックとして、目の印象が変わってしまったり、いつまでも傷が目立ってしまうといったことないよう、細心の注意を払っています。眼のことは眼科医、瞼のことは形成外科医が専門であることをご理解いただいた上で、それぞれの専門家にご相談をされることを強くオススメします。