もぐさを使ったホクロ除去って本当に有効?
もぐさはよもぎから作られたもので、主にお灸をするために使われます。このもぐさを使うと、ホクロ取りクリームと並んでホクロを除去できるという「除去術」があることをご存じでしょうか。民間療法として知名度は高く、昔は医療的なアプローチとして行われていた事実もあるようです。しかし実際は、本当に有効なの?ホクロがきれいに取れるの?と思っている方も多いことでしょう。
医師の見解として、確かに小さなホクロであれば目立たなくできるらしいことは認識しています。だからといって、すべてのホクロに使用するのは危険なのでオススメできません。 まず、ホクロには良性のものと悪性のものがあります。良性のものは皮膚のごく浅い部分にあるものと、皮膚の深い層にまで達しているものがあります。皮膚の浅い部分にあるホクロはレーザー治療が可能ですが、深い層にまで達しているホクロは、根本まで切り取らないとまた元に戻る可能性があります。このようなホクロの性質によって、もぐさで自己処理をしたところ、やけどをしたうえにまたホクロができたという事例になってしまいます。
また、ホクロが悪性だった場合、自己判断で処理をしてしまうのはかなりの危険を伴います。医師の診断を受けなかった場合、病状がどんどん進行してしまいかねないからです。 また、仮にもぐさでホクロを除去できたとしても、消毒や後処理が不十分だと皮膚が陥没した状態になり、そのまま目立つ傷跡として残ってしまいます。せっかくきれいにするために処理をしたのに、望んでいない傷ができたことでホクロがあった時よりもストレスを感じてしまうのは、精神的にも良くありません。 ホクロは専門知識がないと、それが本当にホクロなのか、良性と悪性のどちらなのか、どういった性質をもっているのか判断するのは難しいものです。その判断ができるのは医療機関だけなので、医療機関で適切な診断と施術を受けることができれば安全かつきれいに除去することができるのです。
ホクロは皮膚の相当深くに達しているものでない限り、レーザーで取り除くことができます。特に、細かいホクロがたくさんあっても、それが皮膚の表面近くにあるものであれば、たった1回のレーザー照射でかなり広い範囲を除去することが可能です。 もぐさやホクロ取りクリームは、通院するよりも手軽で安く取り除けると思うかもしれません。しかし、より安全に的確に、そしてきれいに除去するためにも、ホクロの性質がどんなものかを含めて医師の診断を受けることが最終的には最も有効な手段ではないかと思います。